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エンデバー制度とは、日本バスケットボール協会が策定した中・長期的な選手育成・強化計画である「JABBA変革21」の中で、位置づけられるもので、次のことを目指しているシステムです。
● 底辺からの一貫指導による日本バスケットボール界全体のレベルアップ
● 世界に通ずるプレーヤーの発掘・育成
具体的には、全国の有望選手や指導者を集めて、指導方針のもと短期間のトレーニングを行い、参加した選手や指導者に指導内容を持ち帰ってもらいチームや地域に普及してもらいます。
また、選手や指導者を対象とした指導書(「エンデバーのためのバスケットボールドリル」)を作成して指導方針の啓蒙に努めています。
● 「エンデバーのためのバスケットボールドリル」
エンデバー制度の中核的施策である「底辺からの一貫指導」を具体化した、日本バスケットボール協会エンデバー委員会が作成した「エンデバーのためのバスケットボールドリル」は、日本のバスケットボールが目指している内容を知る上で、非常に重要な指南書です。
ステップ、シュート、パス、ドリブルなどの単元ごとに、日本バスケットボール協会が選手に求める「指針」が述べられていることが大きな特徴で,、3冊構成になっています。
また、 日本の目指すバスケットボールが、「走力・敏捷性・スピードを最大限活かした平面的でハイペースなバスケットボール」(3冊目)であり、トラジション・ゲームに勝利することであるとされています。
ほんのさわりですが、例として次の2つの指針を紹介します。
■ ストップ&ステップに対する指針
1.ボールキャッチ時のストップ&ステップによって目指す目的は、ディフェンスと対峙する前の段階で、相手とのズレを作り、そのズレを利用し、そのまま攻めてしまうことである。
2.そのためには、ボールキャッチ後の無駄なステップの排除が重要で、あわよくばワンカウント・ステップ、ノーカウント・ステップを狙い、確実にズレを作っていく。
3.こういったことを十分意識して、シェービングドリルなどのストップ&ステップのトレーニングに取り組む必要がある。
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■ シュートに対する指針
1.ステップのスキルなどを駆使し、ディフェンスとのズレ、ノーマークの瞬間を作り出してボールを貰い、なおかつクイック・シュートを狙う。
2.さらに、ゴール近辺では、ブロック・ショットのリスクが高いため、フェイクやフックショットなどのボール・プロテクションのスキルも必要である。
3.一人のシューターに頼るのではなく、全員で高い成功率をもってシュートを打ちまくることを目指す。 |
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当たり前のことが書いてあるとも思えますが、一つひとつのプレーについて、細部に至るまで神経を使い、精度を高め、それを持続させることは難しいことです。
改めて、日本バスケットボール協会が各単元に対して指針を掲げることで、「こうしないと日本は他国に伍して戦っていくことはできないんだ」ということを、指導者やプレーヤーたちの胸に刻む狙いがあると思います。
バスケットボールのあり方については、さまざまな考え方がありますが、日本で必要とされる選手となるためには、こういった点を十分意識したうえで、トレーニングを積み重ねていかなくてはいけない、というのも事実なのです。
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